
LTspiceを使ってみよう - SPICEモデルを追加してみよう
2019.01.21
前回の記事 LTspiceを使ってみよう
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回路図をコンポーネント化してみよう では作成した回路図をコンポーネント化(階層化)する方法をご紹介させて頂きました。
LTspiceを使ってみようシリーズ 一覧はこちら
今回は既存の部品ライブラリにない部品モデルを追加する方法をご紹介します。
シミュレーションをするうえで部品ライブラリに登録されていない部品を使いたい時があると思います。LTspiceはSPICEの基本文法をサポートしているため、一般的なSPICE形式(Pspiceなど)で供給されているSPICEモデルは基本的にそのまま利用が可能です。また、半導体メーカーからはホームページでSPICEモデルが無償で提供されています。
今回はライブラリに登録されていないアナログ・デバイセズ社のオペアンプを追加します。
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今回は既存の部品ライブラリにない部品モデルを追加する方法をご紹介します。
シミュレーションをするうえで部品ライブラリに登録されていない部品を使いたい時があると思います。LTspiceはSPICEの基本文法をサポートしているため、一般的なSPICE形式(Pspiceなど)で供給されているSPICEモデルは基本的にそのまま利用が可能です。また、半導体メーカーからはホームページでSPICEモデルが無償で提供されています。
今回はライブラリに登録されていないアナログ・デバイセズ社のオペアンプを追加します。
シミュレーションで必要な部品モデルについて
部品モデルは2つのファイルで構成されます。
部品モデルの追加方法としてはいくつかありますが、今回はSPICEモデルをアナログ・デバイセズ社のホームページから入手し、回路図シンボルは既に登録されている”opamp2”という5ピンの回路図シンボルを活用したいと思います。
- SPICEモデル(.sub/.lib/.cirなど):電気的特性を表現するテキスト形式のファイル
- 回路図シンボル(.asy) :回路上での形状を表現するもの
部品モデルの追加方法としてはいくつかありますが、今回はSPICEモデルをアナログ・デバイセズ社のホームページから入手し、回路図シンボルは既に登録されている”opamp2”という5ピンの回路図シンボルを活用したいと思います。
回路図シンボルとSPICEモデル
なお2018年12月20日の時点でライブラリ登録されているオペアンプの部品モデルは500以上となります。登録されているオペアンプの部品モデルは下記フォルダに入っていますので内容を確認してみてください。
*ADI.libのファイルなどにオペアンプのSPICEモデルが記載されています。テキスト形式なのでメモ帳などで中身を確認できます。
- SPICEモデル:LTspiceXVII\lib\sub
- 回路図シンボル:LTspiceXVII\lib\sym\Opamps
*ADI.libのファイルなどにオペアンプのSPICEモデルが記載されています。テキスト形式なのでメモ帳などで中身を確認できます。
SPICEモデルを入手しよう
早速ですが、アナログ・デバイセズ社のホームページからSPICEモデルを入手したいと思います。今回はライブラリ登録がされていない“OP162”で進めていきます。
OP162の製品ページより"SPICEModels"を選択し、ダウンロードをおこなってください。なお今回はデスクトップ上に"test_op162”というフォルダを作成しその中にファイルを格納しました。
OP162 製品ページはこちら
OP162の製品ページより"SPICEModels"を選択し、ダウンロードをおこなってください。なお今回はデスクトップ上に"test_op162”というフォルダを作成しその中にファイルを格納しました。
OP162 製品ページはこちら
SPICEモデルのダウンロード
ダウンロードした"op162.cir"の中身は、テキストファイルのためメモ帳などのエディタでも確認ができますし、LTspice上でも確認ができます。
ここで注目する点は、".SUBCKT"に続く文字列の“OP162”が回路図中で参照する「部品名(シンボル名)」となります。また、ノードの部品番号が外部とつながるピンの序列となり、5端子の構造で、序列が「非反転入力」「反転入力」「正電源」「負電源」「出力」の順番となっていることがわかります。
ここで注目する点は、".SUBCKT"に続く文字列の“OP162”が回路図中で参照する「部品名(シンボル名)」となります。また、ノードの部品番号が外部とつながるピンの序列となり、5端子の構造で、序列が「非反転入力」「反転入力」「正電源」「負電源」「出力」の順番となっていることがわかります。
OP162のSPICEモデル
回路図シンボルにSPICEモデルを関連付けよう
SPICEモデルが準備できたので、回路図シンボルと関連付ける作業を行います。
LTspiceを起動し、新規ファイルを作成し、ダウンロードしたSPICEモデルファイルと同じフォルダに保存します。今回はすでにライブラリに登録されている5端子オペアンプの回路図シンボルを使います。"Select Component Symbol" のダイアログボックスの中で “opamp2" を選択し、回路図上に配置します。
LTspiceを起動し、新規ファイルを作成し、ダウンロードしたSPICEモデルファイルと同じフォルダに保存します。今回はすでにライブラリに登録されている5端子オペアンプの回路図シンボルを使います。"Select Component Symbol" のダイアログボックスの中で “opamp2" を選択し、回路図上に配置します。
コンポーネントの選択
次にGain=2の反転増幅器を例にして下図のように回路図を作成します。なおこのままシミュレーションをすると下図のような"Unknown subcircuit ....."というエラーメッセージがでてきます。これはopamp2は回路図シンボルであり中身のSPICEモデルが割り当てられていためです。そのため入手したOP162のSPICEモデルの関連付けを行う必要があります。
反転増幅器(Gain=2)の回路図
Opamp2を右クリックするとダイアログボックスがでてきます。”Value”の箇所を先ほどファイルで確認したシンボル名”op162”とします。なおSPICEの文法上、大文字と小文字は同じ文字として扱われます。そのため”OP162”と記載しても問題はありません。
シンボル名の変更
次にSPICE
directiveを選択し、 “.include op162.cir
“と記入します。なお.includeは ファイルの読み込みを行うSPICE命令(構文:include(.inc) <ファイル名>)となります。詳細はHelpメニューでご確認ください。
.includeディレクティブでSPICEモデルを読み込む
これで回路図シンボルとSPICEモデルの関連付けが完了しました。あとはシミュレーションを実行すると先程のエラーメッセージがなく、シミュレーション結果を得ることができました。
OP162を使った反転増幅器の結果
今回検証したLTspiceデモ・ファイル
test_op162__1.zip
今回実施したシミュレーションファイルが格納されています。ぜひ、お試しください!
最後に
今回は既存の部品ライブラリにないモデルを追加する方法をご紹介させていただきました。部品モデル追加については、自動シンボル作成機能や5端子以上あるオペアンプのモデル対応方法など機会があれば別途ご紹介させて頂きたいと思います。
まだLTspiceを使ったことがない方は、下記のリンクよりLTspiceをダウンロードしてみてください!
ぜひ、一度お試しください。
LTspiceのダウンロードはこちら
まだLTspiceを使ったことがない方は、下記のリンクよりLTspiceをダウンロードしてみてください!
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