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Beryll はこうして創られた!~ 開発リーダーに訊く ~

インテル®(旧アルテラ) FPGA のローコスト製品に位置づけられる Cyclone® V GX (サイクロン・ファイブ・ジーエックス) を搭載した FPGA 評価ボード Beryll(ベリル)は、マクニカグループが提供するオリジナル技術ブランドの Mpression(エムプレッション)製品のひとつです。
このボードには、USB 2.0、Ethernet、RS-232C、24bit Audio Codec、HSMC など各種インタフェースおよび拡張用インタフェース・コネクタが多く搭載してあります。製品評価用の治具として、また DDR3 SDRAM が搭載されているので Cyclone® V 内部に実装されているハード・メモリ・コントローラの評価ボードとして活用していただけます。

そんな Beryll への想いをマーケティング・プロジェクト・リーダーとエンジニア・リーダーにインタビューしてきました。


低価格な評価ボードを創りたい。すべてはお客様のために

ちょうど Cyclone® V ファミリが発売される頃、この新製品の PR のために評価ボードを創ろうと企画しました。評価ボードのキーワードは “初心者向け”、“手頃な価格”、 そして “CPU を評価できるボード”。(ここで言う CPU とは インテルの Nios® II のことです。)

メーカーからも Cyclone® V 搭載の評価ボードを発売される予定はありましたが、一番低下価格なボードでも10万円を超えてしまう商品だったので、使いやすい Cyclone® V シリーズをもっと多くのユーザーに採用してもらうためにも、価格帯は5万円以下に設定し開発をスタートさせました。




Mpression ブランドの裏の第1号製品は Helio じゃない!実は Beryll なんです!

マクニカグループでは Mpression と言う技術ブランドを立ち上げて現在も多くの製品をリリースして活動していますが、この Beryll は Mpression がブランド化されるもっと前から企画された製品でした。そのリリース時期がちょうどマクニカグループの Mpression ブランド設立と相まって、Mpression 製品の第1号として発売される予定でした。

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ちょうど同じ時期、別のチームが Mpression ブランドの2機目として発売予定の Cyclone® V SoC の評価ボード Helio を開発していたのですが、プロモーションを検討した際にCyclone® V SoC を搭載したHelio を優先して発売することになったんです。そのため、Beryll は若干発売を見送ることになり、Helio に第1号の座を奪われてしまいました。ちょっと苦い思い出です。



この評価ボードは、開発する上で色んなチャレンジをしたボードです。その一つに、On-Board USB-Blaster™ があります。

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最近のメーカー製評価ボードは、インテル® FPGA ダウンロード・ケーブルの USB-Blaster™/USB-Blaster™ II が無くても付属の USB ケーブルでパソコンと通信が行えるように、ボード上にこのダウンロードケーブルの仕組みが組み込まれています。Beryll も同様に On-Board USB-Blaster™ 対応のボード構成で、弊社の開発ボードにその部分を採用するのは初の試みでした。この機能は後に続く評価ボードにも採用されています。
この Beryll の存在があるからこそ、Helio や Sodia も On-Board USB-Blaster™ 対応なんですよ。
このボード、バシっ!っと一発で動いた優秀なボードなんです。このボードがその後の評価ボードのリファレンスになったのは確かですね。






とにかくいっぱいユーザー I/O を出したかった

I/O ピン数が限られている中で、ユーザーが自由に使える I/O をできるだけ多く確保しながら機能仕様を決めるのがやはり大変でしたね。
ユーザーが自由に使える I/O ピンを HSMC 用に確保しつつ、できるだけ多くの機能をどう入れ込むか。マーケティングサイドは「あんなことしたい、こんなことしたい」と思うままにリクエストをするけど、エンジニアサイドは冷静に「でもそれはピン数が足りないからダメだ」と突っぱねたりと、理想と現実のせめぎ合いでした。だから、入れたい機能に優先順位を付けて検証しながら決定していったんです。

お手本のようなボードです

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販売前は “初心者向け FPGA 評価ボード” として開発しました。FPGA の評価をしてもらって FPGA 自体の拡販につなげたい、という思いでしたが、実際に販売してみると購入したユーザーの方々から「いいね、このボード。こんな風なボードをうちでも作りたい!」と言われ、基板のノウハウも真似したいと言う声をもらいました。このまま(搭載されている IC も含め)採用してもらえるなら・・・と、情報を開示した企業も数社あります。

この穴は何だ?

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Beryll の裏面に、実はN社の無線モジュールを載せられるコネクタを付けるための穴があるんです。その無線モジュールを載せた Beryll が2枚あれば、無線通信できちゃうっていう隠し機能(遊び)を盛り込んでいるんですよ。
ユーザーガイドにもどこにも書き記してないので、知る人ぞ知る裏機能です。今後の FPGA 評価ボードに活かせればという思いで作った感じですね。

この内容でこの価格は “買い” でしょ!

Cyclone® V GX を搭載した評価ボードで、DDR3 SDRAM、USB2.0、Ethernet、SMA、オーディオ、ユーザーが自由に使える I/O (HSMC I/F)も多くてこの低価格。なかなかないんじゃないですかね。低価格帯のインテル® FPGA 評価ボードを多くリリースしている会社でも、類似仕様だと Beryll の2~3倍の価格になっちゃいますもんね。ユーザーI/O も GPIO になっちゃうとか。GPIO じゃ、高速 I/F 評価は難しいですからね~。第一号としては魅力的なボードに仕上がったと思います。



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