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「第3回ロボデックス展」イベントレポート

2019.02.25
2019年1月16~18日の3日間、東京国際展示場で開催された第3回ロボデックス展。

サービス分野で活躍するロボットを展示したマクニカをはじめ、産業用ロボットからサービス用ロボット、モーターやアクチュエーター、軸受といった駆動技術、制御や計測に活用するセンシング技術、AIやIoTといった第四次産業革命のキーテクノロジーまで、ロボット関連技術を取り扱うメーカーが一堂に会し、会場は大きな賑わいを見せていました。今回は、そんなイベントの様子をお伝えします。

日本において成長戦略の重要なキーテクノロジーとなるロボット

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あらゆる業界、産業から熱い視線が注がれているロボットは、IoTやビッグデータ、AIと並んで第4次産業革命に向けた技術革新の1つとして紹介されているほどで、日本においては政府が掲げる成長戦略における重要なファクターといっても過言ではありません。

2018年6月に閣議決定された未来投資戦略2018においても、現場のデジタル化と生産性向上を徹底的に進め、誰もが活躍できる持続可能な経済社会システムである「Society 5.0」を進めるための重要なキーテクノロジーとして位置付けられています。

現在では、日本経済再生本部が発表した「ロボット新戦略」に基づいて2015年5月に設置されたロボット革命イニシアティブ協議会(RRI)が主導し、ものづくり分野やサービス分野、介護・医療分野、インフラ・災害対応・建設分野、農林水産業・食品産業分野など、さまざまな分野でのロボットに関する研究開発や現場導入実証、環境整備などが進められている状況です。

ロボット関連ソリューションが集まったロボデックス展

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そんなロボット分野に特化した展示会として3回目を迎えるロボデックス展。
産業用ロボットやサービス用ロボットをいったロボットそのものから、モーターやアクチュエーター、軸受、減速機といった駆動技術、各種センサーや制御、計測、試験、検査関連機器などのセンシング技術、そしてAIやIoT、組込みシステムなど知能化・制御技術など、ロボットに関連したさまざまなソリューションが会場内に展示されていました。

例えばFA分野においては、人と協調しながら作業するロボットアームなどが多く展示されており、工場の自動化を検討する多くの来場者がブースに詰めかける場面も。

人手不足に悩む物流業界向けには、自律走行型搬送ロボットであるAGVや重量物の搬送を容易にするリフター、人が装着して荷物の上げ下げを支援するパワーアシストスーツなど省力化に貢献するソリューションも。

サービス分野では、ドローンをはじめ、アシストスーツや触覚センサー技術、被介護者の動きをリアルタイムで検知する見守りソリューションなど、用途に応じて活躍する各種ロボットも登場。

なかには次世代農業ロボットや自動翻訳ロボット、ソフトウェアによる自動化を可能にするRPAなどもあり、豊富なバリエーションのロボットが会場内を埋め尽くしていました。

技術商社としてサービスロボット分野に参入したマクニカブース

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そんな数ある展示ブースにおいて、人に代わってデリバリーを行うロボットや自動清掃ロボットといった、サービス分野で活躍するロボットを出展していたのが株式会社マクニカです。

少子高齢化に伴う労働力不足が多くの産業で大きな課題となっているなかで、黎明期にあるサービスロボット分野に技術商社として参入し、ロボットの導入から保守、メンテナンスまで一貫したサービス体制で、顧客が抱える課題に対応するための仕組みづくりを行っています。

今回展示されていたものの1つが、アメニティなどをホテルのフロントから部屋にデリバリーする際に活躍するサービスロボット「Relay by Savioke」です。

ホテルや工場内搬送、病院内搬送など、人から人へと品物を運ぶ際に活躍する自動走行デリバリーロボットで、人と共存して働くために親しみやすいデザインとなっているのが特徴です。

液晶画面でメッセージが表示でき、例えば客室にコーヒーやアメニティを運ぶといったホテル業界での使い方が紹介されていました。
エレベータといった外部設備との連携も可能で、客室のある階へ移動する際にエレベータを自動的に制御し、必要なフロアまでロボット自身が移動することが可能になっています。

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また、今回はデリバリーサービスロボット以外にも、自動清掃ロボットとして「Neo by AVIDBOTS」が展示されていました。

LiDARや3Dカメラなどで障害物を認識して回避できることはもちろん、最適ルートを計算し、安全かつ高速に清掃を行うことが可能なロボットです。

リモートモニタリグで作業の様子が確認できるのも、Neo by AVIDBOTSが持つ特徴の1つとなっています。

ショッピングモールや空港といった大規模なエリアをくまなく清掃し続けることが可能な自動清掃ロボットのため、清掃作業の省力化に大きく役立つものとしてブース内の説明員に話しかける来訪者が数多く見受けられました。

マクニカが扱うデリバリーロボット「Relay」と自動清掃ロボット「Neo」

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また展示会場に併設されたセミナー会場では、特別講演として「サービスロボットがもたらす価値と、効果を高める使い方」と題して、未来事業創造室の金澤 友和が登壇。

マクニカが提供するサービスロボットの紹介とともに、事例を交えながらサービスロボットを導入する際のポイントや導入効果を高めるための秘訣、そしてマクニカが考えるサービスロボットの今後について紹介しました。

成功の鍵は“ロボットと人の役割分担の見極め”と“課題・解決策の明確化”にある

もちろん、ロボット導入に成功した事例ばかりではありません。たしかにロボットを導入することで、人による作業からの代替や作業効率の改善、雇用不安の解消といった課題の解決に役立つものの、期待した効果が得られなかったという残念な声も確かにあるのは事実だと金澤。

そうならないためには、目的をはっきりしてどうロボットを使うのかを最初に十分検討するのが成功への道だと説きます。

「ロボットを効果的に使うためには、ロボットと人の特性を理解することが必要です。初期費用や作業スピード、繰り返し作業の品質などロボットの得意分野をしっかり見極めたうえで、ロボットと人の役割分担を適切に行うのが成功の鍵となります」と説明します。

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また、ロボット活用の際には、事前の実証実験、いわゆるPoCが有効な手段の1つとなりますが、結果として導入せずに継続検討が続くことで“PoC疲れ”に陥っているケースも少なくないと金澤は指摘します。

「ロボットは日進月歩の技術。2~3年後に改めて検討すると、以前の調査が陳腐化してしまい、改めてPoCから始めるというケースも少なくありません。やみくもに導入すればいいというわけではありませんが、最初に現場の課題と解決策をしっかり検討すべきです」。

課題と解決策を明確化することで、それを満たすためには何が必須要件なのかが見えてくることになり、それを満たすことで課題が解決できることになるわけです。

ただし、事前に課題と解決策をきちんと設定することが難しいケースもあるため、ぜひマクニカに相談いただきたいと会場に訴えかけました。

導入効果を高めるための“稼働率”と“デジタルデータの活用”

そして、導入効果を高めるための方策の1つが“稼働率”にあると説明します。

「ロボットの導入は確かに初期コストがかかるものの、稼働させていくたびに費用対効果を高めていくことができます」。

導入当初に比べて3倍上の頻度でRelayを利用するようになったホテルの事例や24時間稼働する空港で1日3回清掃を実施することで1日の80%以上Neoを稼働させている事例、床に落ちた油汚れによって引き起こされる転倒の危険性を軽減するべく、30分に1度床掃除をNeoが行うことで従業員の安全確保を実現している工場事例などを紹介しました。

もう1つのポイントとして挙げるのが“デジタルデータの活用”です。

「ロボットであれば稼働状況のデータの取得が可能で、そのデータをエビテンスとして蓄積できます。数値に基づく判断が可能になるだけでなく、詳細なエビデンスから実施状況が把握できるようになります。過去情報も活用することで作業効率の継続的な改善にも役立てることができるのです」とデータ活用のメリットを力説します。

Neoの例では、清掃を実施できた場所、実施できなかった場所をMapで確認することはもちろん、データを解析することで人とロボットの最適な組み合わせを導き出すことで、さらに導入効果を高めていくことができると説明します。


“つながるロボット”がサービスロボットの未来を作る

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サービスロボットの今後については、一言でいえば“つながるロボット”と表現する金澤。

「ロボット自体は進化を続けていますが、自身が搭載しているセンサーは内部で処理するのみに使われています。
しかし、外部にある監視カメラのデータを使えば、例えば人がいない状況を判断して清掃を自動的にスタートさせるといったことも可能になるわけです。
つまり、センサーやカメラを搭載して動くセンサーとしてのロボットがネットワークにつながり、データを提供する。そして、ロボットから提供されるデータと外部のセンサーデータとをあわせて取得した情報をAIによって解析することで、最適な判断でサービスロボットを動かせるような時代になってくる」と金澤は語ります。

1972年の創業以来、半導体商社、技術商社として活動してきたマクニカですが、取り扱う半導体の多くはIoTのなかで利用されるセンサーデバイスやネットワークデバイスとして利用されています。
さらに、IoTデバイスとAIを組みわせることで、今ではビジネスの現場を強くしていく活動を幅広く展開しています。
この分野で培ったナレッジとロボット技術を組み合わせていくことで、将来のロボットの活用に役立てていきたいと言います。「人々がサービスロボットを活用することで、より快適で楽しく仕事ができる。マクニカは、そんな世の中に貢献したい」と締めくくりました。

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